こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
西長住まつなが歯科 院長の松永紘明です。
先日、Instagramでウォーキングブリーチの症例をご紹介しました。
神経の治療を受けた歯は、時間の経過とともに黒ずんだり、灰色っぽく変色したりすることがあります。
「前歯1本だけ色が違う…」
「笑った時にその歯だけ気になる…」
そんなお悩みを抱えて来院される患者さんは少なくありません。
今回は、実際の症例をご紹介しながら、ウォーキングブリーチとはどのような治療なのか、そして現在推奨されている方法について論文をもとに解説します。
実際の症例をご紹介
今回ご相談いただいた患者さんは、
神経の治療を受けた前歯の変色を気にされて来院されました。

神経を失った歯は、時間とともに周囲の歯より暗く見えることがあります。
今回はウォーキングブリーチを行い、歯を削ることなく色調の改善を目指しました。

※症例写真は患者さまの同意を得て掲載しています。
※治療結果には個人差があります。
神経を取った歯は、なぜ黒くなるのでしょう?
歯が黒くなる原因はいくつかあります。
代表的なのは
- 神経が死んだときの出血
- 歯の内部に残った血液成分
- 神経組織の分解産物
- 根管充填材による着色
です。
特に外傷や神経の壊死では、血液中の鉄成分が歯の内部に入り込み、時間の経過とともに灰色や黒っぽく変色することがあります。

ウォーキングブリーチとは?
ウォーキングブリーチとは、
神経を取った歯の内部に漂白剤を入れ、数日間作用させることで歯を内側から白くする治療法です。
通常のホワイトニングは歯の表面しか漂白できません。
しかし神経を取った歯の変色は歯の内部にあるため、
内側から漂白する必要があります。
昔と今では治療法が変わっています
以前は、
30%過酸化水素を歯の中に入れ、加熱して漂白する「サーモカタリティック法」
が広く行われていました。
しかし、その後の研究で、
- 外部頸部吸収(歯根吸収)
- 歯質へのダメージ
- 強い酸化作用による組織への影響
などのリスクが指摘されるようになりました。
そのため現在では、
加熱を行わないウォーキングブリーチが主流となっています。
当院では、**Opalescence Endo(35%過酸化水素)**を使用し、**歯頸部にバリアを確実に設置したうえで、安全性に配慮しながら漂白を行っています。症例によっては、過ホウ酸ナトリウムを用いた方法が選択されることもあります。
当院で大切にしているポイント
ウォーキングブリーチは、ただ薬を入れるだけではありません。
安全に行うためには、
① 根管治療が適切か確認する
根管治療が不十分な場合は、先に再治療が必要になることがあります。
② 漂白剤が歯根へ漏れないように封鎖する
歯の内部にしっかりとバリアを作ることで、歯根吸収のリスクを減らします。
③ 色の変化を確認しながら少しずつ進める
通常は3〜4日ごとに薬剤を交換し、白くなりすぎないよう経過を確認します。

被せ物をしなくても改善できる可能性があります
前歯が黒くなると、
「セラミックしかないですか?」
と聞かれることがあります。
もちろん被せ物が必要なケースもありますが、
変色だけが問題で歯そのものは健康であれば、
歯をほとんど削らずに改善できる可能性があります。
これは天然歯をできるだけ残せるという大きなメリットです。
よくある質問
Q. 痛みはありますか?
神経を取った歯なので、治療中の痛みはほとんどありません。
Q. 何回くらい通いますか?
変色の程度によりますが、
一般的には1〜4回程度で改善することが多いと報告されています。
Q. また黒くなりますか?
時間の経過とともに多少の後戻りが起こることがあります。
しかし多くの症例では良好な審美性が得られています。
まとめ
神経を取った歯が黒くなる原因は、歯の内部にあります。
そのため通常のホワイトニングでは改善が難しい場合でも、
ウォーキングブリーチなら歯を大きく削ることなく改善できる可能性があります。
もちろんすべての歯が適応になるわけではありません。
根管治療の状態や歯質の残り方などを診査したうえで、最適な治療方法をご提案いたします。
「前歯1本だけ色が気になる」
「できるだけ自分の歯を残したい」
そんな方は、お気軽に西長住まつなが歯科までご相談ください。


