こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
西長住まつなが歯科 院長の松永紘明です。
むし歯を治療して白い詰め物(コンポジットレジン)を入れたあと、
「これで終わりですね。」
と言われることが多いと思います。
しかし実は、**詰め物を入れた後の「仕上げの研磨(ポリッシング)」**も、とても大切な治療工程です。
「少しくらいザラザラしていても問題ないのでは?」
と思われるかもしれませんが、研究ではレジンの表面が粗いほど細菌は強く付着することが示されています。
今回は、レジンの表面の滑らかさと細菌の付着について、最新の研究をもとに分かりやすく解説します。
レジンの表面はツルツルな方が良い?
コンポジットレジンは、むし歯治療でよく使われる白い詰め物です。
治療後には専用の器具を使って形を整え、最後に研磨して滑らかな表面に仕上げます。
この仕上げには見た目をきれいにするだけではなく、
- 細菌が付きにくくなる
- プラークが付きにくくなる
- 着色しにくくなる
- 清掃しやすくなる
という大切な役割があります。

表面が粗いほど細菌は強く付着する
今回紹介する研究では、
矯正治療で使用される2種類のコンポジットレジンの表面を
- ツルツル
- やや粗い
- 粗い
の3段階に加工しました。
その後、
- Streptococcus mutans(ミュータンス菌)
- Streptococcus sanguinis(サンギニス菌)
という、お口の中でよく見られる細菌がどれくらい強く付着するかを、原子間力顕微鏡(AFM)という装置で測定しています。
その結果、
表面が粗いほど、細菌はより強い力で付着することが分かりました。
つまり、レジン表面がザラザラしているほど、細菌は離れにくくなる可能性があります。
細菌は時間が経つほど取れにくくなる
さらに興味深いことに、
細菌は表面に付着した直後よりも、
一定時間が経過すると接着力がさらに強くなることが確認されました。
これは「Bond strengthening(接着の強化)」と呼ばれる現象です。
つまり、
最初は軽く付着している細菌も、
時間が経つにつれて、
より強固にレジン表面へ定着していきます。
これは、毎日の歯みがきで細菌を早めに取り除くことが大切な理由の一つでもあります。

唾液があっても粗い表面には細菌が付きやすい
私たちの口の中では、
歯や詰め物の表面は唾液によって覆われています。
この研究でも、
唾液の膜(唾液ペリクル)が形成された状態で実験が行われました。
その結果、
唾液によって細菌の付着力はある程度減少しました。
しかし、
表面が粗いレジンでは、唾液があっても細菌はより強く付着することが分かりました。
つまり、
唾液だけでは表面の粗さによる影響を完全には防げないということです。
レジンは長年使うと表面が粗くなることがあります
レジンは非常に優れた材料ですが、
永久に新品の状態が続くわけではありません。
長年使用していると、
- 毎日の歯みがき
- 噛む力による摩耗
- 飲食物による影響
- 経年的な劣化
などによって、
少しずつ表面が粗くなることがあります。
表面がザラザラすると、
プラークが付きやすくなり、
着色もしやすくなります。
今回ご紹介した研究では、
表面が粗いほど細菌が強く付着することが示されました。
そのため、
レジンが経年的に劣化して表面が粗くなると、細菌が停滞しやすい環境となり、詰め物の周囲から再びむし歯になる「二次う蝕」のリスクが高まる可能性があります。
もちろん、この研究は細菌の付着力を調べた基礎研究であり、「劣化したレジンは必ず二次う蝕になる」と証明したものではありません。
しかし、
細菌が付きにくい滑らかな表面を維持することは、長期的なお口の健康を守るうえで重要と考えられます。

研磨は見た目だけではありません
レジン治療では、
「白く詰めること」
だけが重要なのではありません。
最後の研磨によって、
- 滑沢な表面を作る
- 細菌が付きにくくする
- プラークを付きにくくする
- 着色しにくくする
- 清掃しやすくする
ことが期待できます。
患者さんからは見えにくい工程ですが、
実はレジン治療の長持ちに関わる大切なポイントなのです。
当院で大切にしていること
西長住まつなが歯科では、
レジン治療では詰めるだけではなく、
最後の研磨まで丁寧に行うことを大切にしています。
細かな段差や表面の粗さをできるだけ少なくし、
細菌が付きにくい滑沢な表面に仕上げることで、
長く快適に使っていただける修復を目指しています。
また、定期検診では、
レジンの摩耗や劣化、表面の粗さも確認し、
必要に応じて再研磨や修復をご提案しています。
治療後も継続して管理することで、
詰め物をより長持ちさせることにつながると考えています。
まとめ
✅ レジンの表面が粗いほど細菌は強く付着することが報告されています。
✅ 細菌は時間が経つにつれて接着力がさらに強くなります。
✅ 唾液があっても、粗い表面では細菌が付きやすい傾向があります。
✅ レジンは長年の使用で表面が粗くなり、細菌が停滞しやすい環境になることで、二次う蝕のリスクが高まる可能性があります。
✅ レジン治療では、詰めるだけでなく丁寧な研磨と、その後のメインテナンスも重要です。
参考文献


