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🦷歯は残すべき?抜くべき?歯科医師が治療計画で本当に考えている判断基準を論文から解説

こんにちは。

福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
「西長住まつなが歯科」院長の松永紘明です。

診療をしていると、

「この歯は残せますか?」

「インプラントにした方が長持ちしますか?」

「抜歯した方がいいのでしょうか?」

というご相談をよくいただきます。

患者さんにとっては、

「残せるなら残したい」

という気持ちがある一方で、

「無理に残して何度も治療を繰り返すくらいなら抜いた方が良いのでは?」

と悩まれる方も少なくありません。

実は歯科医師も、

「残すか抜くか」

という判断には非常に慎重になります。

今回は、2010年にJournal of Prosthetic Dentistryに掲載されたレビュー論文をもとに、

歯科医師が歯を残すか抜くかをどのように判断しているのか

について分かりやすく解説します。

【参考文献】

zitzman 2010 Strategic considerations in treatment planning


歯1本だけを見て判断しているわけではありません

「虫歯だから抜歯」

「歯周病だから抜歯」

実際は、そんな単純な話ではありません。

論文では、

歯科医師は

  • 歯周病
  • 根管治療の状態
  • 残っている歯の量
  • 被せ物の状態
  • インプラントの適応
  • 患者さんの全身状態
  • 口全体の治療計画

など、

複数の要素を総合的に評価して判断することが重要と述べています。


歯周病だけでは抜歯とは決まりません

歯周病では、

  • 歯周ポケット
  • 出血
  • 骨の吸収量
  • 根分岐部病変

などを評価します。

論文では、

治療後に

  • 出血がない
  • 歯周ポケットが安定している
  • 歯周病がコントロールされている

のであれば、

歯を十分長期間維持できる可能性があるとしています。

一方で、

深い歯周ポケットや進行する骨吸収が残っている場合は、

将来的な歯の喪失リスクが高くなると報告されています。


根管治療をした歯でも十分残せることがあります

「神経を取った歯はすぐダメになる」

という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし論文では、

適切な根管治療と、その後の適切な修復が行われれば、

多くの歯は長期間機能すると説明されています。

さらに興味深いのは、

根管治療そのものよりも、その後の被せ物や歯周病などが原因で失われるケースの方が多い

という点です。

歯の破折や再び細菌が侵入することなど、根管治療以外の要因が長期予後に大きく関わります。


インプラントは万能ではありません

最近では

「抜いてインプラントにしましょう」

という言葉を耳にする機会もあります。

もちろんインプラントは非常に優れた治療法ですが、

論文では

  • インプラント周囲炎
  • 骨量不足
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 強い食いしばり

など、

成功率に影響するさまざまな因子があることも紹介されています。

つまり、

インプラントだから絶対安心というわけではありません。


歯を残す価値は「口全体」で決まります

この論文で最も重要なメッセージは、

歯1本だけで判断してはいけない

ということです。

例えば、

前歯1本なのか、

ブリッジの支えになっている歯なのか、

奥歯なのか、

口全体の治療計画によって

同じ状態の歯でも判断は変わります。

歯の価値は、

その歯が口全体でどのような役割を担っているかによって大きく変わるのです。


天然歯を残せるなら残した方がよいケースも多い

論文では、

適切に管理された天然歯は、

インプラントに安易に置き換えるべきではないとしています。

また、

天然歯を残すことで、

歯ぐきや骨の形態を維持しやすいという利点もあります。

そのため、

「インプラントの方が優れている」

「天然歯の方が優れている」

という単純な比較ではなく、

患者さん一人ひとりに合った治療法を選択することが重要なのです。


西長住まつなが歯科では「できるだけ歯を残す治療」を大切にしています

当院では、

歯を残せる可能性がある場合は、

すぐに抜歯を選択するのではなく、

  • 歯周病治療
  • 根管治療
  • 被せ物のやり直し
  • 咬み合わせの評価
  • CTによる精密診断

などを行い、

長期的に歯を維持できるかどうかを総合的に判断しています。

もちろん、

残すことで将来的にかえって不利益になる場合には、

抜歯やインプラントを含めた治療法もご提案します。

患者さんと十分に相談しながら、

「今だけでなく10年後、20年後も見据えた治療計画」

を一緒に考えていきます。


まとめ

今回のレビュー論文から分かったことは、

  • 歯を残すか抜くかは虫歯や歯周病だけでは決まらない
  • 歯周病・根管治療・被せ物・咬み合わせ・全身状態を総合的に判断する
  • インプラントにもリスクがある
  • 天然歯を残せるなら残した方がよいケースも多い
  • 最も大切なのは「歯1本」ではなく「口全体」の治療計画である

ということです。

歯を残すかどうかで迷われている方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

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