こんにちは。
福岡市南区西長住、マルキョウ桧原店前にある
「西長住まつなが歯科」院長の松永紘明です。
患者さんから
- 「歯にヒビが入っていると言われました」
- 「歯が割れているので抜歯と言われました」
- 「本当に抜かなければいけないのでしょうか?」
というご相談を受けることがあります。
実際に「ヒビが入った歯」と一言で言っても、その状態はさまざまです。
軽いヒビで長期間保存できることもあれば、残念ながら抜歯が避けられないケースもあります。
今回は海外の歯内療法専門医が紹介していた興味深い症例をもとに、
「ヒビの入った歯はどこまで残せるのか?」
について考えてみたいと思います。
歯にヒビが入ったら必ず抜歯?
結論から言うと、
必ずしも抜歯になるわけではありません。
ヒビにはさまざまな種類があります。
比較的予後が良いことが多いもの
- エナメル質の浅いヒビ
- クラックトゥース症候群
- 歯冠部に限局した破折
抜歯になることが多いもの
- 歯根まで達した破折
- 垂直性歯根破折
- 歯が完全に二つに分かれたSplit Tooth
同じ「ヒビ」でも予後は大きく異なります。

海外で紹介されていた保存症例
スペインの歯内療法専門医 Carlos Elzaurdia先生がInstagramで紹介していた症例があります。

症例はヒビが入った小臼歯でした。
患者さんは
「できる限り歯を残したい」
と希望していました。
診査では、
- ヒビは歯冠部に限局
- 深い歯周ポケットなし
- 垂直性歯根破折を疑う所見なし
という状態だったそうです。
そこで保存を目指して
- 根管治療
- 接着修復
- 横方向のファイバーポストによる補強
が行われました。
その後、
本来はクラウンやオーバーレイによる咬頭被覆が推奨されていましたが、患者さんは無症状だったため受けなかったとのことです。
結果として、
6年間無症状で経過した
と報告されています。
横方向のファイバーポストは有効なの?
この症例で興味深いのは、

ヒビを横切るようにファイバーポストを埋入して歯を補強している点です。
ただし、
ここで注意しなければいけないことがあります。
この症例はあくまで
「1症例の報告」
であり、
「ヒビの入った歯には全て有効」
という意味ではありません。
実際に投稿した先生自身も、
症例を慎重に選択する必要がある
と述べています。
歯周病認定医として気になったポイント
この症例を見て私が最も注目したのは、
実はファイバーポストではありません。
それよりも
深い歯周ポケットがなかった
という点です。
垂直性歯根破折では、
ヒビに沿って細菌感染が進み、
特定の部位だけ深い歯周ポケットが形成されることがあります。
一方で今回の症例では、
そのような所見がなかったとされています。
つまり、
この歯は
「予後不良な垂直性歯根破折」ではなく、比較的浅いクラックだった可能性
があります。
私はこの点が6年間保存できた大きな理由のひとつではないかと考えています。
実際の臨床で重要なのは「治療」より「診断」
患者さんは
「残せますか?」
と聞かれます。
しかし歯科医師がまず考えるのは、
「どの種類のヒビなのか?」
です。
そのためには
- 歯周ポケット検査
- レントゲン検査
- CT検査
- 咬合診査
- 破折線の確認
などを行います。

ヒビが入った歯でも残せることがあります
歯にヒビが入ったからといって、
必ず抜歯になるわけではありません。
一方で、
垂直性歯根破折や歯根まで及ぶ破折の場合には、残念ながら抜歯が必要になることもあります。
大切なのは、
「ヒビがあるかどうか」ではなく、「どこまでヒビが及んでいるか」を正確に診断することです。
もし
- 噛むと痛い
- 歯にヒビがあると言われた
- 抜歯と言われたが本当に抜くしかないのか悩んでいる
という方は、一度詳しく診査を受けることをおすすめします。
西長住・長住・長丘・樋井川・桧原で歯のヒビや破折歯のご相談なら
西長住まつなが歯科では、
歯周病専門医の視点も踏まえながら、
CTや歯周組織検査を用いてヒビの状態を診査しています。
歯にヒビが入ったからといってすぐに諦めず、まずはご相談ください。🦷


