こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
西長住まつなが歯科 院長の松永紘明です。
鏡を見たときに、
「歯ぐきが下がってきた…」
「歯が長く見えるようになった」
「知覚過敏で冷たいものがしみる」
そんなお悩みはありませんか?
歯ぐきが下がった部分を覆う治療(根面被覆術)は、見た目だけでなく、知覚過敏の改善や歯の保護にも役立つ治療です。
では、この治療の成功率は何で決まるのでしょうか?
今回は、歯周形成外科の分野で非常に有名な論文をもとに、「フラップ(歯ぐき)の厚み」が治療結果に与える影響について解説します。
歯ぐきが下がる「歯肉退縮」とは?
歯肉退縮とは、歯ぐきが下がって歯の根が露出した状態です。
原因としては、
- 強すぎる歯磨き
- 歯周病
- 噛み合わせ
- 加齢
- 歯ぐきがもともと薄い
- 矯正治療後
などが挙げられます。
歯肉退縮が進行すると、
- 知覚過敏
- 見た目が気になる
- 根面う蝕(歯の根の虫歯)
- さらに歯ぐきが下がる
といった問題が起こることがあります。
根面被覆術(CAF)とは?
代表的な治療法が
CAF(Coronally Advanced Flap:歯冠側移動術)
です。
歯ぐきをやさしく剥離し、歯ぐきを上方向へ移動させて露出した歯根を覆います。
現在でも世界中で行われている標準的な歯周形成外科の一つです。

この研究では何を調べたの?
この研究では、
19人・19本のMiller Class I・II歯肉退縮
に対してCAFを行い、
手術中にフラップの厚みを測定し、3か月後の根面被覆率との関係を調べました。
つまり、
「歯ぐきが厚い方が治療は成功しやすいのか?」
という疑問を検証した研究です。

結果① 平均根面被覆率は82%
3か月後には
- 平均根面被覆率:82%
- 完全に歯根が覆われた歯:37%
という良好な結果が得られました。
CAFは適切な症例では非常に予測性の高い治療法であることが確認されました。
結果② フラップが厚いほど成功率が高かった
この論文で最も有名なのがこの結果です。
フラップ厚が0.8mmを超えた症例では100%の根面被覆が得られました。
一方、
0.8mm未満では完全被覆できない症例が多くみられました。

厚みが0.1mm違うだけでも結果が変わる?
さらに解析すると、
フラップが0.1mm厚くなるごとに、歯肉退縮の改善量がおよそ0.2mm増加する
ことが示されました。
わずかな厚みの違いでも、治療結果に影響する可能性があることが分かります。
なぜ厚い歯ぐきの方が成功しやすいの?
論文では、
厚いフラップほど
- 血流が豊富
- 酸素や栄養が届きやすい
- 壊死しにくい
- 創傷治癒が良い
ことが理由として考察されています。
つまり、
「歯ぐきの厚み=治癒しやすさ」
とも言えるのです。
だからこそ「歯ぐきの厚み」の診査が重要
歯肉退縮を診断するときは、
単に
- どれくらい下がっているか
だけでは十分ではありません。
実際には、
- 歯ぐきの厚み
- 角化歯肉の幅
- 歯槽骨の状態
- 歯並び
- ブラッシング習慣
なども総合的に評価して治療法を選択します。
歯ぐきが非常に薄い場合には、
結合組織移植術(CTG)を併用した方が、より安定した結果が期待できるケースもあります。
西長住まつなが歯科では
当院では、
歯肉退縮に対して
- 詳細な歯周検査
- 歯ぐきの厚みや歯周組織の診査
- 必要に応じた歯周形成外科
- メインテナンスまで含めた長期管理
を大切にしています。
「歯ぐきが下がって気になる」
「歯が長く見える」
「知覚過敏がある」
という方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回の研究から分かったことは、
✅ CAFは高い成功率を持つ治療法
✅ フラップ(歯ぐき)の厚みは成功率を左右する重要な因子
✅ 0.8mm以上のフラップ厚では完全な根面被覆が得られやすかった
✅ 歯ぐきの厚みまで評価して治療法を選択することが大切であることが示されました。
歯ぐきが下がってお悩みの方は、自己判断せず、歯周組織を詳しく診査できる歯科医院で相談されることをおすすめします。


