こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
西長住まつなが歯科院長の松永紘明です。
患者さんから
「歯ぐきが下がって黒い三角が見えるようになりました。」
「食べ物が詰まりやすくなりました。」
というご相談を受けることがあります。
この黒い隙間は
ブラックトライアングル
と呼ばれます。
今回は2025年に発表された最新論文をもとに、
ブラックトライアングルの改善を目指した新しい歯周形成外科手術
について解説します。
ブラックトライアングルとは?
歯と歯の間には本来、
歯間乳頭
と呼ばれる歯ぐきがあります。
この歯ぐきが失われると、
黒い三角形の隙間が見えるようになります。
ブラックトライアングルは
- 見た目が気になる
- 食べ物が詰まりやすい
- 発音しにくい
- プラークが溜まりやすい
などの問題につながります。

ブラックトライアングルができる原因
歯間乳頭が失われる原因には
- 歯周病
- 加齢
- 矯正治療
- 歯並び
- 歯の形
- 不適切なブラッシング
などがあります。
論文でも、
歯周病だけではなく、
歯並びや歯根の位置、歯の形など様々な要因が関係すると説明されています。

この研究ではどんな治療を行ったの?
今回紹介する論文では
3Dトンネリング法(3D Tunneling:3DT)
という新しい歯周形成外科手術が紹介されています。
特徴は
- 歯ぐきを大きく切開しない
- トンネル状に歯ぐきを剥離する
- 結合組織移植(CTG)を挿入する
- 歯間乳頭まで立体的に持ち上げる
という方法です。

対象となった患者さん
この研究では
3名の患者さんに対して治療が行われました。
いずれも
- 歯ぐきが下がっている
- 歯間乳頭が失われている
- ブラックトライアングルが目立つ
症例でした。
治療結果は?
術後には
- 歯肉退縮が改善
- 歯間乳頭の高さが改善
- 角化歯肉が増加
- 長期経過でも安定
という結果が得られました。
最も長い症例では
6.5年間良好な状態が維持
されていました。

この研究のポイント
この論文で興味深いのは、
従来の
「歯ぐきを根元まで戻す」
だけではなく、
「歯と歯の間の歯ぐきまで再建する」
ことを目標にしている点です。
ブラックトライアングルの改善は歯周形成外科の中でも非常に難しい分野ですが、
新しいアプローチとして注目されています。
この研究の限界
ただし、この研究は
- 症例数3例
- ケースシリーズ
- 比較対象なし
という限界があります。
そのため、
この方法がすべての患者さんに有効であると証明されたわけではありません。
歯科医師としての考察
ブラックトライアングルは、
患者さんにとって見た目だけでなく、
清掃性や発音にも影響することがあります。
一方で、
原因は歯周病だけではなく、
骨の高さや歯の形、歯並びなど複数の要素が関係するため、
すべての症例で外科治療だけで改善できるわけではありません。
今回の論文は、
歯間乳頭まで立体的に再建する新しい術式の可能性を示した興味深い研究でした。
今後さらに症例数の多い研究で有効性が検証されることが期待されます。
参考文献


