こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
『西長住まつなが歯科』院長の松永紘明です。
「セラミックはどれくらい長持ちしますか?」
「インプラントは一生もちますか?」
患者さんから、このようなご質問をいただくことがあります。
治療方法によって寿命が変わることもありますが、それ以上に大切なのが治療後の管理です。
今回は、歯を支えにした補綴(クラウン・ブリッジ)と、インプラントを支えにした補綴を最長36年間追跡した研究をご紹介します。
この研究では何を調べたの?
この研究では、
- 40名
- 223本の補綴物(被せ物・ブリッジ)
を対象に、最長36年間にわたり経過が調査されました。
調査された補綴物は、
- 歯を支えにしたクラウン
- 歯を支えにしたブリッジ
- インプラントを支えにしたクラウン
- インプラントを支えにしたブリッジ
です。

長期間使えなくなる原因は何だったのでしょうか?
研究では、補綴物のトラブルを
- 生物学的合併症
- 技術的合併症
の2つに分けて調べています。
生物学的合併症とは、
- むし歯
- 歯周病
- インプラント周囲炎
など、お口の組織に起こるトラブルです。
一方、技術的合併症には、
- セラミックの欠け(チッピング)
- 外れ(脱離)
- ネジのゆるみ
などがあります。

この研究で最も重要だった結果
研究では、
歯でもインプラントでも、長期的に支台(歯やインプラント)を失う原因となることが多かったのは、生物学的合併症でした。
つまり、
- むし歯
- 歯周病
- インプラント周囲炎
を予防することが、補綴物を長持ちさせるうえで非常に重要であることが示されました。
定期メインテナンスの重要性
この研究の対象となった患者さんは、全員が歯周病治療後に Supportive Periodontal Care(SPC:定期的なメインテナンス)を継続していました。
論文では、定期的なメインテナンスを継続することが長期的な良好な経過につながった可能性について考察されています。
また、論文中では過去の研究も紹介されており、メインテナンスを受けない患者さんでは、定期的に受診している患者さんと比べて、歯やインプラントを失うリスクが高くなることが報告されています。
インプラントの固定方法にも違いがありました
この研究では、インプラントの被せ物を固定する方法についても調べられています。
その結果、スクリュー固定はセメント固定と比較して、生存率が高く、生物学的合併症も少ないという結果でした。
論文では、セメントが歯ぐきの中に残ることが、インプラント周囲組織の炎症を引き起こす要因の一つになる可能性についても考察されています。
ただし、どちらの固定方法が適しているかは、お口の状態や症例によって異なるため、患者さんごとに適切な方法を選択することが大切です。
当院の考え方
インプラントやセラミックは、どちらも長く機能することが期待できる治療法です。
しかし、その寿命は材料だけで決まるものではありません。
毎日のセルフケアに加え、定期的なメインテナンスによって、お口の中の変化を早期に発見し、適切に対応することが、長く快適に使い続けるためには欠かせません。
当院では、治療を行うだけでなく、治療後も安心して長く使っていただけるよう、患者さん一人ひとりに合わせたメインテナンスを大切にしています。
まとめ
今回ご紹介した36年間の長期研究では、
補綴物を長持ちさせるためには、治療そのものだけでなく、その後の管理が重要であることが示されました。
セラミック治療やインプラント治療を長く快適に使うためには、
- 毎日のセルフケア
- 定期的なメインテナンス
- トラブルの早期発見・早期対応
がとても大切です。
当院では今後も最新の論文を学びながら、エビデンスに基づいた治療とメインテナンスを提供できるよう努めてまいります。
参考文献
Bischof FM, et al. Survival and complication rates of tooth- and implant-supported restorations after an observation period up to 36 years. Clinical Oral Implants Research. 2024.


