こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
「西長住まつなが歯科」院長の松永紘明です。
「歯の根が溶けていますね。」
レントゲン検査でこのように言われ、不安になったことはありませんか?
歯は一度生えると一生そのままだと思われがちですが、さまざまな原因によって歯の根(歯根)が少しずつ吸収されることがあります。
この現象を 歯根吸収(Root Resorption) と呼びます。
今回は、歯根吸収とはどのような病気なのか、原因や種類、治療法について、歯科医師の立場からわかりやすく解説します。
歯根吸収とは?
歯根吸収とは、歯の根の表面や内部が少しずつ溶けてしまう病気です。
乳歯では永久歯が生えるために自然に起こる正常な現象ですが、永久歯で歯根吸収が起こる場合は異常と考えられます。
初期にはほとんど症状がなく、定期検診のレントゲンで偶然見つかることも少なくありません。

歯根吸収の原因
歯根吸収にはさまざまな原因がありますが、大きく3つに分類できます。
① 外傷による歯根吸収
- 転倒
- スポーツで歯をぶつけた
- 歯が脱臼した
- 歯を強く打った
などの外傷が原因で起こります。
歯を支えている歯根膜が傷つくことで吸収が始まることがあります。
② 細菌感染による歯根吸収
神経が死んでしまった歯や、根の先に膿がたまった歯では、細菌感染によって歯根吸収が進行することがあります。
このタイプは放置すると徐々に歯が失われる可能性がありますが、適切な根管治療によって進行を止められることが多いとされています。
③ 特殊な歯根吸収
比較的まれですが、
- 歯ぐきの近くから進行する外部吸収
- 歯の内部から進行する内部吸収
などがあります。
初期には痛みがなく、自覚症状がほとんどありません。
歯根吸収には自然に治るものもある
「歯が溶ける」と聞くと、とても怖い病気に思えるかもしれません。
しかし実際には、すべてが重症というわけではありません。
例えば軽い外傷のあとに起こる 表面吸収(Surface resorption) は、
- ごく浅い吸収
- 自然に修復される
- 特別な治療は不要
ということもあります。
そのため、経過観察のみで問題ないケースもあります。
治療が必要な歯根吸収
一方で、細菌感染が原因となる歯根吸収は早めの治療が重要です。
感染が続く限り吸収も進行するため、
- 根管治療
- 根の中の細菌をしっかり除去すること
- 必要に応じて薬剤を使用すること
によって吸収の進行を止めることを目指します。
つまり、原因が細菌である場合は「細菌を取り除くこと」が最も重要な治療になります。
治療が難しい歯根吸収もあります
重度の外傷後に起こる 置換性吸収(Replacement resorption) では、歯の根が徐々に骨へ置き換わってしまいます。
残念ながら、このタイプは現在でも進行を止める確立した治療法はなく、将来的に抜歯が必要になることがあります。
だからこそ、
歯をぶつけた直後の適切な処置
が非常に重要になります。
歯根吸収は痛みがないことも多い
歯根吸収は、
- 痛みがない
- 腫れない
- 普通に噛める
という状態で進行することも珍しくありません。
そのため、
「症状がないから大丈夫」
とは限らないのです。
定期的なレントゲン検査によって早期発見できるケースも多くあります。
歯をぶつけたら必ず歯科医院を受診しましょう
転倒やスポーツなどで歯を強く打った場合、
その日は痛みがなくても数か月〜数年後に歯根吸収が起こることがあります。
歯の外傷後は、
- レントゲン検査
- 歯髄(神経)の状態の確認
- 定期的な経過観察
がとても大切です。
まとめ
歯根吸収は、原因によって治療法も予後も大きく異なります。
- 軽い外傷による吸収は自然に治ることもある
- 細菌感染による吸収は根管治療が重要
- 重度の外傷では治療が難しいタイプもある
- 早期発見・早期治療が歯を守るポイント
歯をぶつけた経験がある方や、「歯の根が溶けている」と言われた方は、そのままにせず早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
西長住まつなが歯科では、CTを用いた精密な診断を行い、歯をできるだけ残せるよう治療方法をご提案しています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献
Heithersay GS. Management of tooth resorption. Aust Dent J. 2007;52(Suppl 1):S105-S121.


