こんにちは。
福岡市南区西長住、
マルキョウ桧原店前にある
「西長住まつなが歯科」院長の松永紘明です。
「銀歯や詰め物って、一度入れたら一生もちますか?」
診療中によくいただくご質問です。
実は、どんな詰め物や被せ物にも寿命があり、時間の経過とともに再治療が必要になることがあります。
今回は、一般歯科医院で保険治療を受けた649本の修復物を長期間追跡した研究をもとに、詰め物・被せ物の寿命や長持ちさせるポイントについて解説します。
修復物はどれくらいもつの?
この研究では、
- コンポジットレジン(白い詰め物)
- メタルインレー(銀歯)
- 4/5冠
- メタルクラウン(銀歯の被せ物)
- メタルブリッジ
を対象に、生存率(再治療されずに使えている割合)が調査されました。
10年後の生存率
| 修復物 | 10年生存率 |
|---|---|
| メタルインレー | 67.5% |
| 4/5冠 | 60.5% |
| コンポジットレジン | 60.4% |
| メタルクラウン | 55.8% |
| メタルブリッジ | 31.9% |
つまり、10年後でも約6割程度の修復物は使用できていましたが、ブリッジは約3割しか残っていませんでした。

最も多い再治療の原因は「虫歯の再発」
修復物をやり直す理由として最も多かったのは、
二次う蝕(虫歯の再発)
でした。
特に
- コンポジットレジン:約78%
- メタルインレー:約72%
では、再治療の原因のほとんどが虫歯の再発でした。
つまり、
「詰め物が壊れたから」ではなく、「詰め物の周囲から新たに虫歯になった」ことが最も多かったという結果です。

ブリッジは寿命が短い?
今回の研究では、
ブリッジは平均生存期間・10年生存率ともに最も低い結果でした。
理由として考えられるのは
- 支える歯に負担が集中する
- 清掃が難しい
- 根の病気
- 土台となる歯周病
などが挙げられています。
もちろん現在では材料や接着技術も進歩していますが、
ブリッジは定期的なメンテナンスが特に重要な治療法といえます。
実は「材料」より大切だったもの
この論文で興味深かったのは、
修復物の寿命に
噛み合わせ(アイヒナー分類)
が関係していたことです。
噛み合わせの支持が少ない患者さんほど、修復物の寿命が短くなる傾向が認められました。
つまり、
- 強い食いしばり
- 奥歯が少ない
- 咬合バランスが悪い
このような状態では、詰め物や被せ物にも大きな負担がかかります。
材料だけではなく、
お口全体の噛み合わせを診断することが長持ちにつながる
ということが分かります。
詰め物・被せ物を長持ちさせる5つのポイント
① 毎日の丁寧な歯磨き
② デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
③ 定期検診で早期発見する
④ 噛み合わせをチェックする
⑤ 小さな異常でも早めに受診する
詰め物や被せ物は人工物ですが、
周囲の歯や歯ぐきは天然の組織です。
そのため、お口の環境が悪くなると修復物自体は問題なくても再治療が必要になることがあります。

まとめ
今回の研究では、
- 修復物は種類によって寿命が異なる
- 最も多い再治療の原因は二次う蝕(虫歯の再発)
- ブリッジは他の修復物より寿命が短い傾向
- 噛み合わせも修復物の寿命に影響する
ことが示されました。
近年では、接着技術やセラミック材料などの進歩により、修復物の選択肢はさらに広がっています。しかし、どんなに優れた材料を使用しても、毎日のセルフケアや定期的なメンテナンスが欠かせません。
西長住まつなが歯科では、詰め物や被せ物を「入れて終わり」ではなく、できるだけ長く快適に使っていただけるよう、噛み合わせや歯周病の状態まで含めて診査・診断を行っています。
「今の詰め物はまだ大丈夫かな?」
「被せ物を長持ちさせたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
青山貴則,相田潤,竹原順次,森田学.臼歯部修復物の生存期間に関連する要因.口腔衛生会誌.2008;58:16-24.


