こんにちは。
福岡市南区西長住、マルキョウ桧原店前にある西長住まつなが歯科です。
患者さんから、
「ジルコニアって変色しないんですか?」
「セラミックは一生白いままですか?」
というご質問をいただくことがあります。
結論からいうと、
ジルコニアは保険のプラスチック製の被せ物に比べて非常に変色しにくい材料です。
しかし、実際の被せ物の色はジルコニアだけで決まるわけではありません。
2025年に発表されたレビュー論文では、ジルコニアの最終的な見た目には「6つの要素」が大きく影響するとまとめられています。
ジルコニアが変色しにくい理由
保険診療で使われるプラスチック(レジン)は、水分を吸収しやすく、コーヒー・お茶・赤ワイン・カレーなどによる着色や経年劣化が起こりやすい材料です。
一方、ジルコニアはセラミックの一種で、
- 水分を吸収しにくい
- 表面が非常になめらか
- 傷が付きにくい
という特徴があり、長期間きれいな色調を維持しやすい材料です。
そのため、前歯や奥歯の被せ物として世界中で広く使用されています。

① セメントの色で見た目は変わる
意外に思われるかもしれませんが、
被せ物を接着するセメントの色も仕上がりに影響します。
特に透明感の高いジルコニアでは、
- 白いセメント
- 透明なセメント
- 不透明なセメント
によって最終的な色調が変化することがあります。
前歯ではセメントまで考えて選択することが自然な仕上がりにつながります。
② 土台の歯の色も重要
神経を取った歯は黒ずんでいることがあります。
また、
- 金属の土台
- ファイバーコア
- ご自身の歯
では色が異なります。
透明感の高いジルコニアでは、その土台の色が最終的な見た目に影響するため、土台の状態まで考えて治療計画を立てることが重要です。

③ 被せ物の厚さでも色は変わる
ジルコニアは、
薄いほど透明感が高く、厚いほど透けにくくなります。
つまり、
- 薄い
→透明感が高い
→土台の色を拾いやすい - 厚い
→遮蔽性が高い
→透明感は少し下がる
という特徴があります。
患者さんごとに最適な厚みを設計することが、自然な見た目につながります。
④ 焼成方法でも透明感が変わる
ジルコニアはCAD/CAMで削ったあと、
約1500℃前後で焼成(シンタリング)して完成します。
この焼成条件によって
- 透明感
- 色調
- 強度
が変化することが分かっています。
そのため、メーカーが推奨する焼成条件を守ることが、美しい仕上がりには欠かせません。
⑤ ジルコニアにも種類がある
最近では
- 3Yジルコニア
- 4Yジルコニア
- 5Yジルコニア
など、用途に応じた材料が使い分けられています。
一般的には、
透明感を重視すると強度は少し下がり、強度を重視すると透明感はやや低くなるという特徴があります。
そのため、
前歯と奥歯では適した材料が異なる場合があります。

⑥ 技工士との連携が自然な色を作る
実際の治療では、
- 歯の色
- 周囲の歯との調和
- 光の透過性
- 年齢による色調
まで考えて製作しています。
患者さんごとに条件は異なるため、
「同じA2」という色番号でも、全く同じ見た目になるとは限りません。
そのため歯科医師だけでなく、歯科技工士との連携も非常に重要になります。
ジルコニアは一生変色しない?
ジルコニア自体は非常に変色しにくい材料ですが、
- 表面に汚れが付着する
- プラークや歯石が付く
- 喫煙や着色性飲食物の影響
によって「黄ばんだように見える」ことはあります。
定期的なクリーニングを受けることで、美しい状態を長く維持しやすくなります。
まとめ
ジルコニアは現在の歯科材料の中でも、変色しにくく、美しい見た目を長期間維持しやすい優れた材料です。
しかし、自然な仕上がりを実現するためには、
- セメントの色
- 土台の色
- 被せ物の厚み
- 焼成条件
- ジルコニアの種類
- 歯科技工士との連携
など、多くの要素を考慮する必要があります。
西長住まつなが歯科では、お一人おひとりのお口の状態やご希望に合わせて、見た目と機能の両方を大切にした治療をご提案しています。
「古い被せ物の色が気になる」
「できるだけ自然な白い歯にしたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
【参考文献】


